HOME > 技術情報 > ドライクリーニングの基本と品質向上
衣類の品質を向上さすには、洗浄と同時、または洗浄後に加工を行なう。方法としては、浸漬、スプレーがあるが、浸漬法は洗浄と同時にも出来るが、スプレーは洗浄後の加工になる。撥水加工は洗浄後の加工である。
尚、石油溶剤を用いての機械内スプレー加工は、爆発条件が整うので奨められない。
1)加工方法の長所、短所
2)加工の種類
方 法 | 長 所 | 欠 点 |
スプレー | 薬剤が少量ですむ。 加工の必要なものだけ加工できる。 効果が出やすい。 |
ムラになりやすい。 品物が集まらないと不経済。 乾燥時間が延びる。 スエールが出やすい。 |
浸 漬 | 効果が均一に出やすい。 スエールの発生が少ない。 乾燥時間の延長がない。 洗浄と同時なので別工程の必要なし。 |
薬剤が多く必要。 撥水加工をしにくい。 効果が判りにくい |
衣料に撥水効果を与える。また撥油効果、防汚効果を併せて付与する場合もある。 スプレーで加工するのが一般的である。撥水効果はウール、化学繊維は効果が出やすいが、綿、レーヨン等セルロース繊維には効果が出にくい。
(薬剤)フッ素樹脂、シリコン樹脂、パラフィン、ワックス、金属石鹸
(用いる衣料) コート、オーバーほか衣料全般
衣料をふっくら柔らかくする加工、平滑性を与える場合もある。また、トンネル仕上げ性を良くしたり、アイロン滑りがよくなり、仕上げ作業が向上する。 加工方法は、洗浄と同時でも、スプレーでも出来る。効果はおおむねすべての繊維に出やすいが、羊毛のフェルト化したようなものには効果が出にくい。
(薬剤)界面活性剤、シリコン、オイル、パラフィン
※衣料に柔軟性を与える。
セーター、オーバー、上着
※衣料に平滑性を与える。(シリコン剤が今日では一般的)
衣料全般
衣料に腰、張りを与える加工である。また、着用時に折り目の線を消えにくくしたり、しわが発生しにくくする。
(薬剤)高分子樹脂、ウレタン樹脂
※衣料を硬くする。
スーツ、ズボン、帯、袴等、
※衣料に弾力性を与える。
上着、ズボン、スラックス、スカート
※折り目付け加工。
ズボン、スラックス、スカート
※しわ発生を防止する。
上着、ズボン、スラックス、スカート
衣料をより衛生的に洗う方法でもあるが、より積極的に加工を打ち出すことによりユーザーアピール出来る。
すべての衣類に加工出来るが、防虫加工は蛋白繊維に加工する。
細菌の繁殖を抑える、菌を寄せ付けなくする。また溶剤の腐敗防止にも効果がある。効果はハロー試験で確認する。
カビの繁殖を抑える。カビを寄せ付けなくする。薬剤としては、抗菌効果のある薬剤はカビに弱く、防カビ剤は細菌に効果が少ない。
虫を寄せ付けなくする。スプレーで加工するのが一般的。
衣類に臭いがつきにくくなる加工。衣類に脱臭剤をつけ異臭を中和脱臭する。最近では加齢臭除去等、さらなる消臭加工の拡大が期待出来る。
消臭、脱臭、除菌、抗菌に有効な酸化チタンを用いた加工。加工することにより強力な消臭効果が得られる。但し、活性化するには光が必要。
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