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ポリエステル用洗剤について

1.ポリエステル繊維の課題

リネン素材としては綿100%が主流を占めていましたが、化学繊維、特にポリエステル素材が近年増加しております。ポリエステルは耐久性に優れること、乾燥が速いこと、皺になりにくく仕上げが容易なことが増加している要因と考えられます。一方疎水性繊維であるため汚れとの吸着力が強くて従来の綿用洗剤では汚れを落としきれないこと、また汚れや水中の硬度成分を吸着しやすく再汚染するため、耐久性は優れていても白度が低下して結局は綿よりも寿命が短い結果も多くみられました。これらを解決できる洗剤や処方が待たれておりました。

2.界面活性剤の選定

界面活性剤の検討を行いました。ポリエステルに各種のオイルを浸け、その除去性を調べた結果------------------------------
特殊構造の非イオン活性剤を併用した時に大きな除去効果があることを見出しました。更に再汚染防止効果の高いSR剤、アルカリビルダーの種類、配合量検討によりポリエステル素材の洗浄性、再汚染防止性に優れた洗剤の開発に成功いたしました。こうして商品化した「シーレックス3D」の洗浄性は右グラフの通りで、特にポリエステルに優れていることが分かります。

3.製品のラインナップ

シリーズ製品はさまざまなリネンアイテムに対応できるようにリン酸塩、蛍光剤の有無、粉末、液体と5種類を取り揃え、例えば排水処理設備がある工場には有リンを、色物ユニフォーム類の洗浄には無蛍光を、洗浄助剤としては液体を使用いただくようにラインナップしております。以下の表にシリーズ製品を纏めました。

性 状 リンの有無 蛍光の有無 商品名
粉 末 有リン 蛍光 シーレックス3D
無蛍光 ファインエースPE
無リン 蛍光 ファインエースNP蛍光
無蛍光 ファインエースNP
液 体 無リン 無蛍光 オイルクリア2

4.商品の特長・使用法

標準使用量は通常リネンの場合、負荷1kg当たり5~10gであり、ハードな汚れの場合は使用量を多くするか、アルカリ剤を併用します。ポリエステルは洗剤量が少ないとクスミやすいので特に注意が必要です。特長としては次の通りです。
*ポリエステルは勿論、綿にも高い洗浄性が得られる。
*中温域(60℃前後)で高性能を発揮する。
*効果的な再汚染防止配合処方によりグレーイング防止に優れる。
*低アルカリタイプであり素材にやさしい。

ファインエースシリーズ洗剤は特長ある性能故、高付加価値商品の位置づけで販売しており、品質志向のユーザー様に評価をいただいております。