HOME > 技術情報 > シャンプー・リンスのシミについて
ホテル等でシャンプー・リンス剤が付着したままのタオル類がリネン工場へ持ち込まれた場合、洗浄後には付着部分に黒いシミが発生します。このシミは頑固で容易に除去できません。
原因物質としてはシャンプー・リンスに配合されています"しなやか成分"です。これは高分子でかつカチオン荷電のため、タオルに付着し乾きますとその成分は水中で容易に溶解しないばかりか、カチオン性を持っていますので、水中でアニオン性を帯びている汚れ粒子はその部分に強固に吸着します。シャンプー・リンスの濃度が高いほどシミは濃く発生します。
そのモデル図、写真は下記の通りです。
(バスマットのシミ)洗浄前は無かったシミが洗浄後に 発生する。通常の洗浄では全く除去出来ない。 |
このシャンプー・リンスのシミ洗浄にはシミ除去洗剤のシミキラーを用いて洗浄します。また予め洗浄前にシュウ酸で付着した成分を分解しておくのも更に有効です。但し最近のシミは強固ですので、100%回復は困難と思われます。
工程 | 温度 | 時間 | 水深度 | 薬剤、注意点 | |
必要により実施 | 予 洗 | 70 | 10 | 中 | シュウ酸500g |
弱脱水 | 1 | ||||
濯 ぎ | 60 | 3 | 高 | ||
洗浄 | 80 | 30 | 中 | シミキラー 2500g、ホワイトアップ゚L4000g | |
弱脱水 | 1 | ||||
濯ぎ3回 | 60 | 3 | 高 | 弱脱水をいれ3回繰り返す | |
脱水 | 7 |
ホワイトアップLは時間を遅らして添加してください。
シミが発生して除去出来ない場合は廃棄リネンになります。
シミの発生を抑える方法は以下の通りです。
浴室の清掃には専用の清拭タオルを使用します。タオル等のリネン品を使用しない。
"しなやか成分"を含まないシャンプー・リンスを使用してもらう。シミが発生しない商品につきましては弊社営業担当者にお尋ねください。
良質な水を使用すればシミの発生は減るかもしれませんが、リネンからでた少量の汚れでもシャンプー・リンス付着部分に寄ってきますので完璧とはいえません。