ランドリーの代表的なアイテムであるワイシャツの 洗浄の注意点についてまとめてみました。
ワイシャツは全般的には汚れは少ないですが、襟・袖口部分はハードに汚れており洗浄としてはハードな洗浄が必要です。襟・袖口部分に前処理して洗浄するのも良法です。前処理剤としては『バイオ前処理剤』を用いてください。
濃色(ダーク)と淡色とは分けて洗浄します。移染の防止と処方を変える必要があるからです。濃色は『タキサットカラー』、場合によりデリケート品は『モノゲンリッチ』を用いてください。
ワイシャツの中にはクリーム色の生成り(無蛍光品)品が稀にあります。生成り品は無蛍光の洗剤を用いて単独で洗う必要があります。洗剤としては『スーパーファインバイオNB』を用いてください。
特にEC混(ポリエステル・綿混紡)では温度要因が大きい結果でした。
カラーシャツは色落ち、蛍光剤の染着に注意しなければなりません。しかしウエットのような洗浄をしますと襟・袖口の汚れは除去できません。『バイオ前処理剤』を用いて襟・袖口部分を処理した後、無蛍光、低アルカリの『タキサットカラー』、『スーパーファインバイオNB』を用いて洗ってください。
ワンショット洗剤『グランドショット』、『ファインショット』、『ニュースーパーショット』の場合は付帯のカップや最初に内胴に添加すればいいですが、過炭酸ソーダ(PC)を別添加する場合は所定温度に達してから投入ください。
『セッター21』、『マイクロスターチ』のような合成糊の場合は綿、EC混紡どちらもバランス良く付着しますが、コーンスターチのような天然糊は綿に強力に付着します。合成糊は最終浴に使用しますが、原液を投入するよりも水で数倍に薄めて投入するほうが効果的です。
破れは細番手糸の綿ワイシャツに起こります。高級品に多く、ネットに入れるなどの対策が必要です。また綿ワイシャツではピンホールが発生することがあり、この場合は水質のチェックもしてください。金属分が多いと発生しやすくなります。
ワイシャツの襟部分には接着された芯地が入っており、その接着剤である樹脂が一部溶解して表地に出てシミ状になることがあります。分かっていれば、ソフト洗いで防止出来ますが、通常の場合これを防止するのはなかなか困難です。
ワイシャツの小シワを防止するには、洗浄から濯ぎ時に温度差を10℃以上つけないこと、50℃以上の温度のときには脱水しないこと、脱水時間を取りすぎないこと、工程が終了すれば速やかに取り出すことになります。特にポリエステル混紡はシワがつくと取れにくいので、間違いない洗浄工程で処理してください。
プレスして茶色く浮き上がってくるシミはアルカリ焼けのシミです。濯げば取れますが、最終pHが高い場合、脱水が弱い場合、取り出してからプレスまで時間を置いた場合に発生し、襟の端や厚地部分に発生することが多く、素材は綿に多く見られます。同じようなシミには鉄、マンガンによるシミもあります。防止策としては、最終pHを7以下にして、取り出し後は速やかにプレスすることが必要です。
最近、ストライプの糸が脱落する事故も良くききます。色糸の強度が弱いことと過剰プレスが原因と思われます。