ランドリーの品質を左右するのは水質であります。
不適な用水を用いれば機械、洗剤が良くても満足いく品質は得られません。
今回は用水の注意項目とその対策をまとめてみました。
項 目 | 基準値 | 発生する問題点 | 解決法 |
pH (水素イオン 濃度) |
6~8 | これより高いと、濯いでもアルカリ焼けの原因となります。軟水器を取り付けた場合もpHが上がることもあります。 | サワーの実施。最終アルカリ度は20以下程度を目安にする。尚、最終濯ぎ水のpHは7以下が良いと言われています。 |
色度(着色度) | 5度以下 | 水の着色度を示します。高いと変色する可能性があります。本来用水には向きません。 |
オゾン処理、もしくは活性炭処理が必要です。 |
濁度 | 1以下 | 水中の濁物質の混入度合いを表します。汚れの付着がおこり衛生的とは言えません。 | 濾過が必要です。洗剤や薬剤ではどうにもなりません。 |
全硬度 | 50ppm 以下 |
洗浄性の低下が起こります。特に油脂石鹸では低下が大きいです。またクスミ、スケールの発生も多くなります。 | 軟水器の設置が必要です。洗浄時の対策はゲンブキレート剤の添加でカバーできます。 |
電気伝導度 | 200μS/cm (20mS/m) 以下 |
塩分濃度が高く、過大だとベタツキが発生。含有成分により洗浄性低下も起きます。洗浄軟水器の設置でも上昇します。最大でも500μ以下に。 但しリサイクル装置を設置の場合は1500μ以下と言われています。 |
他の項目(硬度、濁度、pH等)を調べる。伝導度を下げるにはRO膜の導入が必要ですが、高くても洗浄低下は少ないです。 |
蒸留残留物 | 100ppm 以下 |
水中の蒸発しない成分のトータル量で金属、シリカなどの無機分や動物の排出物などの有機物が含まれます。ローラーにスケールが付着して滑りが悪くなることがあります。 |
活性炭処理が有効である。他の項目も調べます。 |
鉄・ マンガン |
0.05ppm 以下 |
被洗物に着色や褐色シミ。酸素系漂白剤使用でピンホール発生することがあります。 | 除鉄・除マンガン装置設置が効果的。着色・シミの除去には還元剤が有効です。 |
シリカ | 15ppm 以下 |
ローラーの滑り悪化、スケールの付着、被洗物が硬くなります。 | 活性炭処理が有効。平滑剤の使用、石鹸や珪酸を含まない洗剤、ビルダーを使用します。 |
塩素イオン | 20ppm 以下 |
数値が高いとボイラー、洗濯機の腐食が進みやすくなります。生地のベトツキ。酸素系漂白剤がききにくいです。 | 活性炭処理が有効です。 |
過マンガン酸カリ消費量 | 10ppm 以下 |
特に有機物が多いことを示しており、不衛生でシミも発生しやすいです。 | 活性炭処理が有効ですが、塩素殺菌も場合により効果が出ます。 |
COD値 | 2ppm 以下 |
有機物が多いことを示しており、不衛生でシミも発生しやすいです。 |
上記と同じ。 |
一般細菌数 | 100個以下 (1ml当り) |
不衛生 |
殺菌処理を行います。洗浄では最終浴に消毒を行います。 |
大腸菌 | 検出されないこと | 不衛生 |