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ドライソープの必要性

ドライソープの主な働きは以下の通りです。
・洗浄性アップ
・再汚染の防止
・水分の分散・溶解
・風合、静電気防止性の付与
・溶剤の帯電防止
 以上が主な働きで、一つずつ説明いたします。

1.洗浄性アップ

汚れの種類は油溶性、不溶性、水溶性汚れです。衣類に付着している汚れはこれらが入り混じった汚れが大半です。石油は油を良く溶かしますが、ソープを添加することにより、石油に溶解しにくい油性物質や油性水生混合物質、埃が混じった油性物質、水溶性物質に混じった油性物質とも相溶性が良くなり、多くの汚れの除去性が大きくアップします。
下記にソープの有無による汚染布での洗浄性の差を示します。

(洗浄性の差 : 洗浄効率 %)

時間、洗剤
5分洗浄 10分洗浄
汚染布 無し 有り 無し 有り
襟汚れ 68.4 87.7 67.8 89.0
埃汚れ 50.8 54.2 58.0 59.5
水溶性 3.7 8.9 10.4 14.3

2.再汚染の防止

再汚染は溶剤(石油)に溶解しない細かい埃、水溶性汚れ、更に溶解しても不安定な油性物質によって発生します。ソープは溶剤中に油性物質、不溶性物質、水溶性物質を取り囲んで溶剤中に安定化します。ソープに包まれない汚れは溶剤中では不安定であり、より安定化を求めて繊維にくっつきます。
下記表はソープの有無の差による再汚染の違いを示しております。

(ラボでの再汚染結果%)

時間、洗剤 5分洗浄 10分洗浄
無し 有り 無し 有り
ウール 8.9 3.7 14.3 5.6
綿 13.4 2.9 20.8 4.4
ポリエステル 24.6 9.5 30.8 11.0

3.水分の分散・溶解

ソープの主原料である界面活性剤は親油基と親水基から出来ており石油中に水が入ってきた場合、界面活性剤は水を取り囲み、更に細かく分散し、やがては水を透明に可溶化します。その場合は親水基で水を取り囲こみます。
ドライクリーニングでは水溶性前処理剤を使用したり、湿った衣料を洗うことがあります。このような場合、ソープがなければ水の分散、可溶化が起こらずに、水や水溶性前処理剤が付着した部分は濡れたまま揉まれることにより、小じわ、ちじみ、毛羽立ち、色泣きの危険があります。ソープがありますと付着した水分を細かく分散、もしくは可溶化し溶剤中に均一、微細な水分に変えて水溶性汚れの除去を向上させます。

4.風合、静電気防止の付与

ソープ無しで衣類を洗うと脱脂され衣類がカサカサになります。また静電気も発生してその衣類の着用感は非常に悪いと言えます。ドライソープはランドリーでのソフターの役目も持っており、溶剤中で衣類に吸着して柔軟効果や静電気防止効果を付与します。

5.溶剤の帯電防止

石油溶剤は有機物で分子は共有結合で出来ており、共有結合は電子が移動できないため電流は流れません。電流が流れない石油をポンプ等で動かしたり洗浄で摩擦させたりしますと帯電して電流が流れない為、石油中に静電気として溜まります。溜まった静電気は摩擦でさらに大きくなり、溶剤中に滞在することが出来なくなります。そこへ金属片等、導電物質がありますと、大きなスパークが生じます。そのスパークが着火エネルギーになり危険です。
ソープはイオン活性剤で構成しており、石油中に均一透明溶解しますと僅かながら電流を流し、石油中に静電気を溜めにくくします。ソープ濃度を上げていきますと、石油中に電流を流すソープ分子の比率が多くなり、より電流を流しやすくなり石油の帯電を防止します。